<北方四島「洋上慰霊」に同行して>
ロシアに不法占拠されている北方四島周辺の海上で、旧島民が船上から先祖を弔う洋上慰霊が8月から行われている。ロシアによる2022年2月のウクライナ侵攻で日露関係は戦後最悪の状況。ソ連時代から行われてきた旧島民の墓参など、ビザなしでの交流事業の再開が困難な中で、代替策として北海道と旧島民らでつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」(千島連盟=札幌市)、「北方領土問題対策協会」(東京)が2022年夏から実施している。8月29日に行われた今年3回目の洋上慰霊(国後南コース)では、旧島民が国後島を望みながら、郷愁の念と返還への思いを新たにしていた。(編集委員・常盤伸)
◆旧島民や家族ら78人を乗せ根室を出港
この日は、旧島民やその家族や関係者ら78人が参加した。午前9時半ごろ、交流船「えとぴりか」が根室港を出発。小雨がぱらついていたが、しばらくすると国後島の泊山や羅臼山の山影がはっきり見えた。
(中略)
今回の洋上慰霊では、国後島の北に位置する北方領土最大の島、択捉島を見ることはできなかった。根室に戻った後、千島連盟が運営する千島会館で行われた会合では、択捉島の旧島民の家族から、もどかしい思いも吐露された。
ロシアの対日強硬姿勢は留まるところを知らない。ロシアが「対日戦勝記念日」とする9月3日、択捉島や国後島、色丹島では軍事パレードが行われた。反日キャンペーンの一環として昨年、「第2次大戦終結の日」から名称変更された。ロシアは北方四島を不法占拠した史実を歪曲(わいきょく)し、「軍国主義日本から解放した」という愛国プロパガンダをソ連時代以来、地元住民に刷り込んできた。北方領土の日本統治時代の痕跡も抹消されようとしている。
◆愛国主義に傾斜するロシア、墓参再開の見通し立たず
根室の納沙布岬からわずか約3.7キロの地点にある歯舞群島の貝殻島灯台には昨年7月、一時的にロシア愛国主義の象徴ともいうべきロシア国旗や十字架、イコン(聖像画)が設置されるという挑発的な動きも見られた。今年8月にも、再びロシア国旗が掲げられていることが根室の海上保安庁によって確認された。ロシアがますます偏狭な愛国主義に傾斜する中、旧島民の墓参再開の見通しすら立たない状況が続きそうだ。
洋上慰霊 北方四島との交流船「えとぴりか」に乗船し、国後島や歯舞群島と北海道本島間の根室海峡を分けるいわゆる中間ライン(日本政府呼称は「参考ライン」)の手前を巡り、船上から慰霊する。今年は8月20日から9月21日まで計7回予定。国後島付近を回る北と南の2コース、歯舞群島近くの計3コースがある。
※全文はソースで。
引用元: ・北方四島への墓参が今年もかなわず 旧島民と家族の思いは 「洋上慰霊」にロシア船が併走し…同行記者ルポ [少考さん★]
思いっきり戦争中の国に行くなよ何考えてんだ
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